counter
www.akasaka-cycle.com
font size       [old site
 home   blog   works   pick-up   others   profile   bbs 
『ハンズ・オブ・ストーン』(WOWOW)
2018年07月7日(土)
Hands of Stone


 1980年代にウエルター級、スーパーウエルター級で一時代を築いたパナマのプロボクサー、石の拳<鴻xルト・デュランの半生記。
 シュガー・レイ・レナード、トーマス・ハーンズ、マービン・ハグラーら同時代のライバルたちとの熱戦は、当時学生だったぼくもテレビやビデオで何度か見た。

 狩撫麻礼・作、谷口ジロー・画のボクシング劇画『青の戦士』(1980〜81年)では、主人公の日本人ボクサーがクライマックスでレオベルテ・ゲランというデュランをモデルとしたチャンピオンと対戦する。
 それぐらい、デュランは日本のファンの間でも人気が高く、お馴染みの存在だった。

 引退後の1992年には来日してプロレス団体・藤原組のリングに上がり、船木誠勝と異種格闘技戦で対戦したりもしている。
 ただし、Tシャツとジャージ姿という明らかにおふざけ半分の態度で、結果も3ラウンド腕固めでデュランの負け。

 そんなデュラン(エドガー・ラミレス)は、まだ第2次世界大戦の余韻が残る1951年、パナマのスラム街に生まれた。
 青年期にはパナマで民族独立運動の機運が高まり、アメリカが建設、管理していたパナマ運河を返還するべきだという世論が国中で高まっていた。

 映画はこの歴史的背景とデュランの半生とを平行に描いて、デュランが非常に熱心な愛国青年であったことを強調。
 その半面、すぐにエキサイトする暴れん坊で、まともな教育を受けていなかったため、結婚して子供ができる年齢になってからもろくに字すら読めなかった。

 ジャック・デンプシーが文盲だったのは有名な話だが、デュランもそうだったとは、この映画を見るまで知らなかった。
 デュランが「オレには何が書いてあるかわかんねえんだよ」と妻フェリシダード(アナ・デ・アルマス)にぼやいて新聞を読んでもらうシーンには、さすがに本当だろうかと首をひねりたくなった(でも、たぶん本当なんだろうな)。

 そんなデュランに手取り足取りボクシングを教え、チャンピオンに育て上げたのが名トレーナーのレイ・アーセル。
 演じているのはめっきり老け込んだロバート・デ・ニーロで、かつてはマフィアのドンを演じて鳴らした役者が、ここでは八百長への協力を拒否してマフィアにつけ狙われている役どころである。

 という具合に、いろいろと興味深い見どころは多いのだが、いかんせんボクシングの試合の場面が迫力不足。
 肝心のデュランを演じるラミレスも、身体作りはしっかりやっているが、いまひとつ魅力とリアルな雰囲気に乏しい。

 そのあたり、もう少し頑張れば『ザ・ファイター』(2010年)並の快作になったのに、惜しかった。
 オススメ度B。

(2016年 アメリカ、パナマ=ワインスタイン・カンパニー/日本配給2017年=カルチュア・パブリッシャーズ 107分)

 ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2018リスト
 ※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)

74『ダンケルク』(2017年/英、米、仏、蘭)B
73『墨攻』(2006年/中、日、香、韓) A
72『関ヶ原』(2017年/東宝)
71『後妻業の女』(2016年/東宝)B
70『ショートウェーブ』(2016年/米)D
69『Uターン』(1997年/米)B
68『ミラーズ・クロッシング』(1990年/米)C
67『シザーハンズ』(1990年/米)A
66『グーニーズ』(1985年/米)B
65『ワンダーウーマン』(2017年/米)B
64『ハクソー・リッジ』(2016年/米)A
63『リリーのすべて』(2016年/米)A
62『永い言い訳』(2016年/アスミック・エース)A
61『強盗放火殺人囚』(1975年/東映)C
60『暴動島根刑務所』(1975年/東映)B
59『脱獄広島殺人囚』(1974年/東映)A
58『893愚連隊』(1966年/東映)B
57『妖術武芸帳』(1969年/TBS、東映)B
56『猿の惑星』(1968年/米)A
55『アンドロメダ・ストレイン』(2008年/米)C
54『ヘイル、シーザー!』(2016年/米)B
53『パトリオット・デイ』(2016年/米)A
52『北陸代理戦争』(1977年/東映)A
51『博奕打ち外伝』(1972年/東映)B
50『玄海遊侠伝 破れかぶれ』(1970年/大映)B
49『暴力金脈』(1975年/東映)B
48『資金源強奪』(1975年/東映)B
47『ドライヴ』(2011年/米)C
46『バーニング・オーシャン』(2016年/米)A
45『追憶の森』(2015年/米)B
44『22年目の告白 -私が殺人犯です-』(2017年/ワーナー・ブラザース)B
43『パットン大戦車軍団』(1970年/米)B
42『レッズ』(1981年/米)B
41『ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男』(2016年/米)B
40『エクス・マキナ』(2015年/米)B
39『オール・アバウト・マイ・マザー』(1999年/西)B
38『ムーンライト』(2016年/米)B
37『アメリカン・バーニング』(2017年/米)B
36『セル』(2017年/米)C
35『トンネル 闇に鎖された男』(2017年/韓)B
34『弁護人』(2013年/韓国)A
33『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016年/クロックワークス)A
32『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』(2017年/東宝)B
31『南極料理人』(2009年/東京テアトル)B
30『沈黙 -サイレンス-』(2016年/米)B
29『メッセージ』(2016年/米)B
28『LOGAN/ローガン』(2017年/米)C
27『チャック〜“ロッキー”になった男〜』(2017年/アメリカ)B
26『ヒッチコック/トリュフォー』(2015年/米、仏)B
25『沖縄やくざ戦争』(1976年/東映)B
24『恐喝こそわが人生』(1968年/松竹)B
23『われに撃つ用意あり』(1990年/松竹)C
22『T2 トレインスポッティング』(2017年/英)A
21『ロスト・エモーション』(2016年/米)C
20『激流』(1994年/米)C
19『チザム』(1970年/米)B
18『駅馬車』(1939年/米)A
17『明日に処刑を…』(1972年/米)A
16『グラン・ブルー[オリジナル・バージョン]』(1988年/仏、伊)B
15『エルストリー1976- 新たなる希望が生まれた街 -』(2015年/英)D
14『I AM YOUR FATHER/アイ・アム・ユア・ファーザー』(2015年/西)B
13『サム・ペキンパー 情熱と美学』(2005年/独)B
12『ビリー・ザ・キッド 21才の生涯』(1973年/米)B
11『わらの犬』(1971年/米)A
10『O嬢の物語』(1975年/仏、加、独)C
9『ネオン・デーモン』(2016年/仏、丁、米)D
8『団地』(2016年/キノフィルムズ)B
7『スティーブ・ジョブズ』(2015年/米)B
6『スノーデン』(2016年/米)A
5『キングコング:髑髏島の巨神』(2017年/米)B
4『ドクター・ストレンジ』(2016年/米)B
3『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』(1967年/台、香)B
2『新宿インシデント』(2009年/香、日)B
1『日の名残り』(1993年/英、米)A