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『22年目の告白 -私が殺人犯です-』(WOWOW)
2018年05月13日(日)


 メガホンを取った入江悠は『SRサイタマノラッパー』(2009年)でブレークした監督で、音楽をテーマとしたロードムービーを本領としている。
 SRシリーズの2作目『SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』(2010年)は大傑作で、その後も『劇場版 神聖かまってちゃん ロックロールは鳴り止まないっ』(2011年)、『日々ロック』(2014年)といった佳作や野心作を撮り続けている。

 その入江監督がまさかこんなミステリの大作映画を手がけるとは夢にも思わなかったが、それをまたこれほど面白く、かつ手際よく仕上げて見せるとはさらに想像もしなかった。
 もしかしたら、もうエンターテインメントの職人監督への道を歩み出しているのだろうか。

 阪神・淡路大震災と同じ1995年に東京で勃発した5人連続絞殺事件が2017年、22年で時効を迎えた。
 2010年以降、日本では殺人事件の時効が撤廃されているが、それ以前に発生したこの事件には適用されない。

 それを待っていたかのように、曾根崎雅人(藤原竜也)なるイケメンが「私が殺人犯です」と登場。
 堂々とホテルの大広間で記者会見を開いた上、大手出版社から手記を出版してベストセラーとなる。

 タイトルバックで事件のあらましと時代を背景を説明し、序盤のヤマ場へ畳み掛けるテンポのよさはさすが入江で、ネットやテレビ画面の使い方も相変わらずうまい。
 曾根崎の手記を出した出版社のビルが文芸春秋社で社名が講談社をもじった「帝談社」、手記が平積みされた書店が神保町の三省堂、というのが丸わかりなのも笑ってしまう。 

 この曾根崎を歯噛みしながら見ているのが、殺人事件を担当していた刑事・牧村航(伊藤英明)。
 サイン会の最中、被害者の遺族でヤクザの鉄砲玉・戸田丈(早乙女太一)が曾根崎を殺そうと乱入するが、牧村としては曾根崎を守り、戸田を逮捕せざるを得ない。

 人気報道番組『NEWS EYES』のキャスター仙堂俊雄(仲村トオル)は、かつて自分も連続絞殺事件を取材していたことから、曾根崎の言動に注目。
 スタッフの反対を押し切って自分の番組に生出演させ、さらに牧村と同じスタジオで対決≠ウせようとする。

 やがて、牧村の意外な過去が明らかになり、矢継ぎ早に予想だにしない事件が勃発。
 いいぞいいぞ、この調子だ、と思っていたあたりから、しかし、だんだん、何となく、オチが読めてくるのが惜しい。

 入江監督としては恐らく、そういうことを考えさせないくらいのスピードでクライマックスまで持って行きたかったんじゃないだろうか。
 それでも、2時間弱、きっちり楽しめるエンターテイメントになっていることは確か。
 
 オススメ度B。

(2017年 ワーナー・ブラザース 116分)

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 ※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)

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