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『メッセージ』(WOWOW)
2018年04月5日(木)
Arrival


 今時珍しい地球外生命体とのファースト・コンタクトを描いたSF映画で、劇場公開時にはアカデミー賞の作品賞をはじめ8部門にノミネートされるなど、高い評価を受けた。
 世界各地に巨大な繭か蛹を思わせる宇宙船ヘプタポッドが出現、言語学者(エイミー・アダムス)と物理学者(ジェレミー・レナー)がコンタクトを試みるうち、人類の意外な未来が明らかになってゆく。

 学者たちがヘプタポッドの中で接見する地球外生命体は巨大なイカのようで、グレイ風の顔が『未知との遭遇』(1977年)、長く伸びる手足(?)が『インデペンデンス・デイ』(1996年)のエイリアンを彷彿とさせる。
 また、彼らが墨のような液体を透明な仕切り板に貼り付けて表現する象形文字は、『ノウイング』(2009年)など、過去に見たSF映画に似たような前例があったと記憶する。

 目新しいのは、宇宙人との会話を解読する間に挿入されるアダムスの回想場面。
 かつては愛する夫がいて、息子も授かったものの、やがて離婚せざるを得なくなり、シングルマザーとなって苦労している私生活が淡々と描かれる。

 ところが、これが実は過去ではなく、どうやら未来の出来事であることが次第にわかってくる。
 そして、地球外生命体のメッセージにも、地球と人類の未来を予見する内容が綴られていた。

 そうこうするうち、地球外生命体との対話路線を推進していたアメリカに反発する国が世界で続出。
 ついに中国の軍部が暴走してヘプタポッドの一団に攻撃を始めようとする中、アダムスはようやく宇宙人たちの真意をつかむのだが。

 監督は昨年の『ブレードランナー2049』でいささかガッカリさせられたドゥニ・ヴィルヌーヴ。
 本作は打って変わった出来栄えで、抑制の効いた演出で全篇に緊張感を漲らせる半面、ノスタルジックな雰囲気も醸しだし、独特の映像世界を構築することに成功している。

 ぼくのような年寄りにはいちいちどこかで見たような既視感が始終つきまとうのが難だけれども、昔のSF映画を見たことのない今時の若い映画ファンには面白いかもしれない。
 オススメ度B。

(2016年 アメリカ=パラマウント・ピクチャーズ、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント/日本公開2017年 116分)

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 ※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)

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