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『I AM YOUR FATHER/アイ・アム・ユア・ファーザー』(WOWOW)
2018年01月30日(火)
I Am Your Father


 最初の〈スター・ウォーズ〉シリーズ、エピソード4〜6でダース・ベイダーに扮した俳優デヴィッド・プラウズの半生を描いたドキュメンタリー映画。
 映画史に残る『エピソード5/帝国の逆襲』(1980年)の有名なセリフ、「私がおまえの父だ」を当のプラウズがまったく知らされておらず、映画館で見てびっくりした、というのはファンの間でも有名な話だが、その裏側にこんなに深刻な経緯が隠されていたとは知らなかった。

 プラウズは当初、ベイダーのセリフも自分がしゃべるものと思い、収録も行なっていたため、ジェームズ・アール・ジョーンズが吹き替えたことに不満を持っていた。
 そこへ持ってきて、『エピソード6/ジェダイの帰還』(1983年)の撮影中、プラウズが応じたマスコミの取材により、ジョージ・ルーカスら製作者サイドに決定的な不信感を与えてしまう。

 イギリスの新聞デイリー・メールの記者ポール・ドノヴァンのインタビューに対し、プラウズが「次回作でベイダーは死ぬ」と答えた、と報じられたのだ。
 この一件が原因で、『ジェダイの帰還』の監督リチャード・マーカンドは撮影現場で徹底的にプラウズを無視し、ベイダーが登場するかなりの場面で別のスーツアクターを使った。

 また、最後にルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)がベイダーのマスクを外す場面では、セバスチャン・ショウがベイダーの正体アナキン・スカイウォーカーを演じている。
 このショウが起用されることについても、プラウズは事前に何も知らされていなかった。

 イギリスの大手紙(デイリー・メールかどうかは語っていない)の記者に「ベイダー最期の場面はあなたには内緒で撮影されている」と電話で聞かされて愕然。
 その夜は一睡もできず、翌日スタジオへ向かう車中でも「おれはスタントマンだったのか」と憤慨し続けていたという。

 ルーカスとしては、エピソード6のキモとなるアイデアを漏らしたプラウズへの不信感を払拭できなかったのだろう。
 ついには2010年以降、ルーカス・フィルムやウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズが関わるスター・ウォーズの公式イベントに一切参加させないと、出入り禁止≠通告するに至った。

 本作の監督マルコス・カボタは、そんなプラウズの名誉を回復しようと様々な関係者の証言を集めて回る。
 デイリー・メールのドノヴァン記者もインタビューに応じ、ベイダーが死ぬ情報を漏らしたのはプラウズではなかった、情報源は別のスタッフだった、と話している。

 しかし、映画でも紹介されている紙面を見ると、いかにもプラウズがぶちまけたかのような印象を与えるレイアウトになっている上、本当のニュースソース≠燒セかしておらず、頭から鵜呑みにはしにくい。
 また、ぼく自身、セバスチャン・ショウのキャスティングはともかく、ジェームス・アール・ジョーンズの吹き替えだけは正解だと思っているので、本作の趣旨やプラウズの主張に全面的には賛同しかねる。
 
 プラウズの気持ちはわかるし、彼自身は愛すべき人物だと思うけどね。
 オススメ度B。
 
(2015年 スペイン 82分)

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 ※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)

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