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『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』(WOWOW)
2018年01月8日(月)
龍門客棧,Dragon Inn


 WOWOWの昨年12月の企画〈武侠映画の巨匠キン・フー監督特集〉の1本として放送された作品。
 キン・フー(胡金銓)は北京出身、香港のショウ・ブラザースで映画監督となった人物だが、独立して台湾に渡り、本作で名声を確立したことから、この映画自体も台湾映画の古典的名作と見做されているという。

 舞台は明朝時代の中国で、時の王朝を意のままにせんとする宦官・曹(白鷹)が邪魔になる忠臣の暗殺計画を進めていた。
 用心深い曹は忠臣を処刑するだけではおさまらず、その子供たちを僻地の竜門へ追いやり、そこの宿で秘かに亡き者にしてしまおうと暗殺団を差し向ける。

 そこへ忠臣の部下だった朱驥(薜漢)が救出に登場、妹の朱輝(上官霊鳳)、朱驥の父の親友の蕭(石雋)と力を合わせ、曹の打倒に乗り出す。
 蕭がうどんの入った丼を汁一滴こぼさず膳に投げたり、朱驥・朱輝の兄妹が背後から放たれた矢を振り返りもせず素手でつかんだり、いま見ると笑ってしまう場面も多いが、こうした演出が1970年代に大流行したカンフー・アクション映画の原型になったらしい。
 
 クライマックスは善玉3人と曹との対決となり、曹が木から木へと飛び移る超人的な跳躍力を見せる。
 いまだったらドニー・イェンが演じて派手なワイヤー・アクションを披露するところだろうな。

 と思いながら見ていたら、すでに1992年に『ドラゴン・イン 新龍門客棧』というタイトルでリメイクされ、ほかならぬイェンが曹を演じている、とウィキペデアに書いてあった。
 そもそも、ワイヤー・アクション自体が、キン・フーが本作でアジア映画界に広めた技法らしい。

 本作は劇場公開当時、香港映画史上の興行記録を塗り替える大ヒットとなった。
 そのおかげかどうか、曹を演じた白鷹は悪役俳優として大人気を博し、3D映画『空飛ぶ十字剣』(1977年)でも本作同様の悪辣な宦官を演じている。

 全体としては古臭さを感じるものの、大変生真面目に作られた中国時代劇であり、最後の決戦まで見応え十分。
 デジタル修復版の画面と色合いも及第点。 

 歴史的価値を加味してオススメ度もB。
 
(1967年 台湾、イギリス領香港/日本公開1968年=北海道、中京地区限定 1974年全国公開 111分)

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2『新宿インシデント』(2009年/香、日)B
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