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『レヴェナント:蘇えりし者』(WOWOW)
2017年11月22日(水)
The Revenant


 第88回アカデミー賞において5度目のノミネートで主演男優賞を獲得したレオナルド・ディカプリオをはじめ、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが2度目の監督賞、エマニュエル・ルベツキが3年連続3度目の撮影賞受賞を果たした作品。
 ちなみに、イニャリトゥの初受賞作はルベツキ2度目の受賞作でもある『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2015年)、ルベツキの初受賞作は『ゼロ・グラビティ』(2013年)である。

 1823年、カナダ国境に近いアメリカ北西部の奥地で毛皮狩りをしていたアメリカ人猟師の一団が、先住民アリカラ族の急襲を受け、サウスダコタ州の雪深い山脈を越えてカイオワ砦への帰還を始める。
 この一団のガイド役を務めているのが、ディカプリを演じる実在した罠猟師、西部開拓時代の傑物のひとりと言われ、記念碑も建てられているヒュー・グラス。

 砦への帰路について間も無く、グラスはグリズリー・ベアーに襲われて重傷を負う。
 冬眠しているはずの熊がなぜこんな雪山に現れるのか、とあとで考えたら首をかしげたくなったものの、見ている間はCGとは思えない迫力に圧倒されるばかり(グラスがグリズリーに襲われたのは史実通りだが、実際の時期は夏だった)。

 急拵えの担架に括り付けられたグラスは本隊から離れ、息子のホーク(フォレスト・グッドラック)と隊員ジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)、ジム・ブリッジャー(ウィル・ポールター)に運ばれることになった。
 しかし、かねてグラスを疎ましく思っていたフィッツジェラルドはホークを殺し、ブリッジャーを脅してグラスを雪の中に置き去りにしてしまう。

 息子の死体を発見し、復讐の鬼と化したグラスは、雪の中を這いずり回ってカイオワ砦を目指す。
 ここからが凄まじいサバイバル描写の連続で、飢えをしのぐために素手でミズーリ河の鱒を捕まえたり、先住民が捕獲したバイソンの肝臓に生のままかぶりついたり、さらに死んだ馬の腹から内臓を取り出し、そこへ裸になって潜り込み、雪と寒さをしのいだり。

 こうして体力を回復し、無事砦に辿り着くまでに、イニャリトゥは延々2時間かけている。
 残り30分でリベンジを果たせるかどうかが最大の見どころになるが、グラスが罠猟師としての知恵を働かせ、フィッツジェラルドをトラップにかけるあたりは、B級アクション映画のようでカタルシスに乏しい(史実では復讐はしていない)。

 どうもどこかで見るか聞くかしたような話だと思ってネットをチェックしたら、前項『バニシング・ポイント』の監督リチャード・C・サラフィアンが同じ実話をベースに『荒野に生きる』(1971年)という西部劇を撮っていることがわかった。
 ぼくにとっては、『突撃隊』(1962年)や『日曜日には鼠を殺せ』(1964年)と同じく、映画評論家・双葉十三郎氏の著書『外国映画25年みてある記 ぼくの採点表/アメリカ編』(1978年/近代映画社)で批評を読んで以来、記憶の片隅に引っかかっていた映画である。

 筋立て自体はストレートな復讐譚なのだから、2時間以内にまとめたほうがもっと締まった作品になっただろう。
 ディカプリオは大変な熱演ながらも感心させられるほどではなく、初のアカデミー主演男優賞ノミネート作品『アビエイター』(2004年)、『J・エドガー』(2011年)のほうが好演だったように思う。

 オススメ度B。

(2015年 アメリカ=20世紀フォックス/日本公開2016年 156分)

 ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2017リスト
 ※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)

95『ザ・コンサルタント』(2016年/米)B
94『バニシング・ポイント』(1971年/米)A
93『突撃隊』(1962年/米)A
92『上海から来た女』(1947年/米)B
91『偉大なるアンバーソン家の人々』(1942年/米)B
90『デストラップ 死の罠』(1982年/米)A
89『眠れぬ夜のために』(1985年/米)B
88『ジュラシック・ワールド』(2015年/米)B
87『シン・ゴジラ』(2016年/東宝)A
86『何者』(2016年/東宝)A
85『怒り』(2016年/東宝)A
84『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』(1969年/東映)B
83『エベレスト』(2015年/米、英、氷)B
82『運命を分けたザイル』(2003年/英)A
81『マラソンマン』(1976年/米)B
80『日曜日には鼠を殺せ』(1964年/米)B
79『トム・ホーン』(1980年/米)B
78『ギャンブラー』(1971年/米)A
77『サウスポー』(2015年/米)B
76『レスラー』(2008年/米)A
75『スーサイド・スクワッド』(2016年/米)C
74『エルム街の悪夢』(1984年/米)B
73『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』(2016年/東宝)C
72『エヴェレスト 神々の山嶺』(2016年/東宝)C
71『SCOOP!』(2016年/東宝)C
70『極道の妻たち』(1986年/東映)D
69『チャイナタウン』(1974年/米)A
68『シチズンフォー/スノーデンの暴露』(2014年/米、独)A
67『アイスブレイカー 超巨大氷山崩落』(2016年/露)C
66『ヴィジット』(2015年/米)C
65『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年/米)A
64『アントマン』(2015年/米)B
63『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014年/米)B
62『インクレディブル・ハルク』(2008年/米)C
61『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011年/米)B
60『大いなる決闘』(1976年/米)B
59『ワイルド・ギース』(1978年/英、瑞)A
58『鷲は舞いおりた』(1977年/アメリカ)C
57『デンジャラス・デイズ/メイキング・オブ・ブレードランナー』(2007年/米)B
56『ブレードランナー/ファイナル・カット』(1982、2007年/米)A
55『ターザン:REBORN』(2016年/米)B
54『二ツ星の料理人』(2015年/米)B
53『炎の人ゴッホ』(1956年/米)B
52『サイレント・ランニング』(1972年/米)B
51『アンドロン』(2015年/伊、英、馬)D
50『アウトバーン』(2016年/米、独)B
49『カラーパープル』(1985年/米)A
48『ブリッジ・オブ・スパイ』(2015年/米)A
47『超高層プロフェッショナル』(1979年/米)C
46『特攻大作戦』(1967年/米)B
45『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』(2015年/米)B
44『サハラ 死の砂漠を脱出せよ』(2005年/米)D
43『エミリー 悪夢のベビーシッター』(2015年/米)C
42『チリ33人 希望の軌跡』(2015年/智、哥)B
41『人生は小説よりも奇なり』(2014年/米)C
40『ファミリー・プロット』(1976年/米)A
39『グッド・ネイバー』(2016年/米)C
38『エージェント・ウルトラ』(2015年/米)B
37『デッドプール』(2016年/米)B
36『ちはやふる−下の句−』(2016年/東宝)B
35『ちはやふる−上の句−』(2016年/東宝)B
34『クリーピー 偽りの殺人』(2016年/松竹、アスミックエース)D
33『ザ・コントロール』(2016年/米)D
32『ダイヤルM』(1998年/米)B
31『ランス・アームストロング/ツール・ド・フランス7冠の真実』(2013年/米)A
30『ラスト・スキャンダル あるハリウッドスターの禁じられた情事』(2014年/米)C
29『ヘイトフル・エイト』(2015年/米)C
28『マギー』(2015年/米)B
27『三匹の侍』(1964年/松竹)C
26『女ガンマン 皆殺しのメロディ』(1971年/英)B
25『さらば愛しき女よ』(1975年/米)B
24『バーディ』(1984年/米)B
23『父 パードレ・パドローネ』(1977年/伊)B
22『カンバセーション…盗聴…』(1974年/米)B
21『マン・オン・ワイヤー』(2008年/英、米)B
20『ザ・ブリザード』(2016年/米)C
19『クール・ランニング』(1993年/米)B
18『完全なるチェックメイト』(2015年/米)B
17『ルーム』(2015年/加、愛)B
16『イット・フォローズ』(2015年/米)C
15『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年/米)C
14『ザ・コア』(2003年/米)D
13『怪談』(1965年/東宝)B
12『切腹』(1962年/松竹)A
11『「ベガルタ」〜サッカー、震災、そして希望〜』(2016年/英)A
10『ユーズド・カー』(1980年/米)B
9『突破口!』(1973年/米)A
8『目撃』(1997年/米)B
7『ブラック・スキャンダル』(2015年/米)B
6『シャーク・プリズン 鮫地獄女囚大脱獄』(2015年/米)C
5『ゾンビシャーク 感染鮫』(2015年/米)C
4『ロボシャークvs.ネイビーシールズ』(2015年/米)B
3『シェルター』(2010年/米)C
2『僕だけがいない街』(2016年/ワーナー・ブラザース)C
1『誰も知らない』(2004年/シネカノン)A
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