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『ワイルド・ギース』(BD)
2017年08月6日(日)
The Wild Geese


 前項『鷲は舞いおりた』の翌年に公開された傭兵ものの戦争アクション映画。
 当時、広島リッツという映画館で鑑賞し、その後もテレビ放送やレンタルビデオで何度か見直している。

 今回見たのは2013年に発売されたブルーレイのHDリマスター版で、1980年4月6日、テレビ朝日『日曜洋画劇場』で放送された日本語吹替版が収録されている。
 これは長らく熱心なファンの間で再録が熱望されており、この映画がいまなお日本で根強く支持されているのも、この吹替版の優れた出来栄えに負うところが大きい。

 主役はアレン・フォークナー(リチャード・バートン=吹替:田口計)率いるレイファー・ジャンダース(リチャード・ハリス=同:前田昌明)、ショーン・フィン(ロジャー・ムーア=同:広川太一郎)、ピーター・コージー(吹替版ではマイヤー、ハーディ・クリューガー=同:中田浩二)ら傭兵部隊約50人。
 アフリカ某国の銅山の利権を確保したいイギリスの大富豪マターソン(スチュワート・グレンジャー=同:真木恭介)の依頼を受け、クーデター政権に拉致されている大統領ジュリアス・リンバニ(吹替版ではリンバーニ、ウィンストン・ヌショナ=同:村越伊知郎)の救出に向かう。

 アフリカ某国に乗り込んでからの後半のアクションシーンはアンドリュー・V・マクラグレンが西部劇のベテラン監督ならではの腕前を発揮、いまでも見応えたっぷりの見せ場に仕上げている。
 が、それよりも面白いのは前半のほうで、フォークナー、ジャンダース、フィン、コージーら、それまでバラバラになっていたかつての戦友たちが、互いに反発しあいながらも一つの目的に向かってまとまっていくところ。

 とくに、「二度と戦場には行かない」と言い張るジャンダースを、フォークナーが辛抱強く説得する場面がいい。
 このふたり、原語版では「アレン」「レイファー」とファーストネームで呼び合っているのだが、吹替版ではジャンダースのほうがフォークナーを「大佐」と呼び、徹頭徹尾、敬語を使っている。

 原語版とは違って上下関係を明確にしたことで、フォークナーの要請を拒絶する「私は老衰で死にたいんです」というセリフに痛切なニュアンスが加わった。
 クライマックスの"Alen,kill me!"が「大佐、私を殺してください!」、"Emile,Emile"が「エミール! 私の息子!」と変えられた絶叫にもいまだに目頭が熱くなる。

 原語版の脚本は『十二人の怒れる男』(1957年)で知られるレジナルド・ローズ。
 『十二人…』は自らの陪審員経験を戯曲化した作品だったが、ローズは第2次世界大戦で陸軍中尉として従軍しており、本作には当時の戦争体験が生かされているようだ。

 ラスト、フォークナーがマターソンの裏切りを糾弾する長口舌も非常に強烈だった。
 吹替版のお手本ともいうべきこの翻案シナリオ、書いたのは誰だったのか、ぜひ知りたい(もう無理かな)。 

 オススメ度A。

(1978年 イギリス、スイス 132分)

 ブルーレイ&DVDレンタルお勧め度2017リスト
 ※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)

58『鷲は舞いおりた』(1977年/アメリカ)C
57『デンジャラス・デイズ/メイキング・オブ・ブレードランナー』(2007年/米)B
56『ブレードランナー/ファイナル・カット』(1982、2007年/米)A
55『ターザン:REBORN』(2016年/米)B
54『二ツ星の料理人』(2015年/米)B
53『炎の人ゴッホ』(1956年/米)B
52『サイレント・ランニング』(1972年/米)B
51『アンドロン』(2015年/伊、英、馬)D
50『アウトバーン』(2016年/米、独)B
49『カラーパープル』(1985年/米)A
48『ブリッジ・オブ・スパイ』(2015年/米)A
47『超高層プロフェッショナル』(1979年/米)C
46『特攻大作戦』(1967年/米)B
45『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』(2015年/米)B
44『サハラ 死の砂漠を脱出せよ』(2005年/米)D
43『エミリー 悪夢のベビーシッター』(2015年/米)C
42『チリ33人 希望の軌跡』(2015年/智、哥)B
41『人生は小説よりも奇なり』(2014年/米)C
40『ファミリー・プロット』(1976年/米)A
39『グッド・ネイバー』(2016年/米)C
38『エージェント・ウルトラ』(2015年/米)B
37『デッドプール』(2016年/米)B
36『ちはやふる−下の句−』(2016年/東宝)B
35『ちはやふる−上の句−』(2016年/東宝)B
34『クリーピー 偽りの殺人』(2016年/松竹、アスミックエース)D
33『ザ・コントロール』(2016年/米)D
32『ダイヤルM』(1998年/米)B
31『ランス・アームストロング/ツール・ド・フランス7冠の真実』(2013年/米)A
30『ラスト・スキャンダル あるハリウッドスターの禁じられた情事』(2014年/米)C
29『ヘイトフル・エイト』(2015年/米)C
28『マギー』(2015年/米)B
27『三匹の侍』(1964年/松竹)C
26『女ガンマン 皆殺しのメロディ』(1971年/英)B
25『さらば愛しき女よ』(1975年/米)B
24『バーディ』(1984年/米)B
23『父 パードレ・パドローネ』(1977年/伊)B
22『カンバセーション…盗聴…』(1974年/米)B
21『マン・オン・ワイヤー』(2008年/英、米)B
20『ザ・ブリザード』(2016年/米)C
19『クール・ランニング』(1993年/米)B
18『完全なるチェックメイト』(2015年/米)B
17『ルーム』(2015年/加、愛)B
16『イット・フォローズ』(2015年/米)C
15『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年/米)C
14『ザ・コア』(2003年/米)D
13『怪談』(1965年/東宝)B
12『切腹』(1962年/松竹)A
11『「ベガルタ」〜サッカー、震災、そして希望〜』(2016年/英)A
10『ユーズド・カー』(1980年/米)B
9『突破口!』(1973年/米)A
8『目撃』(1997年/米)B
7『ブラック・スキャンダル』(2015年/米)B
6『シャーク・プリズン 鮫地獄女囚大脱獄』(2015年/米)C
5『ゾンビシャーク 感染鮫』(2015年/米)C
4『ロボシャークvs.ネイビーシールズ』(2015年/米)B
3『シェルター』(2010年/米)C
2『僕だけがいない街』(2016年/ワーナー・ブラザース)C
1『誰も知らない』(2004年/シネカノン)A