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『チリ33人 希望の軌跡』(WOWOW)
2017年06月5日(月)
The 33


 2010年にチリのサンホセ鉱山で落盤が発生、33人の坑夫が避難所に閉じ込められながら、69日後に全員無事生還した事故を映画化した作品。
 当時は救出作業の進捗状況が逐一世界に報道され、最後にはひとりひとりカプセルで地上へ引き上げられる様子がテレビで生中継された。

 序盤、マリオ・セプルベダ(アントニオ・バンデラス)を中心とした坑夫たちの人間模様がきめ細かく描かれる。
 女房がいながら向かいの家の女性を愛人にしているジョニ・バリオス(オスカー・ヌニェス)、姉マリア(ジュリエット・ピノシュ)との確執を引きずっているダリオ・セゴヴィア(フアン・パブロ・ラバ)など、硬軟取り混ぜた群像が印象深い。

 老朽化した鉱山の内部、メガストーン≠フ沈下による落盤事故の概略、チリ政府の対応などを時系列に沿ってわかりやすく説明している手際のよさ、語り口の巧みさも評価できる。
 事故が起こったのち、地下の避難所に閉じ込められた坑夫たちが非常食を分けあって生き延びる描写もさりながら、地上の救出作業や家族と関係者の繰り広げる人間模様が前半の大きな見どころ。

 ロレンス・ゴルボルン鉱業大臣(ロドリゴ・サントロ)、アンドレ・ソウガレット(ガブリエル・バーン)など、ちょっとカッコ良過ぎるきらいもあるが、なかなかの好演。
 救出作業が長引くにつれ、鉱山の前に家族のキャンプ村がつくられ、有名なテレビキャスターがやってきたり、寄付を申し出る実業家が現れたり、さらには事故のTシャツをつくって販売するテキ屋のような業者まで群がってきたりする

 ゴルボルンとソウガレットの尽力が実り、ドリルが避難所に達して33人全員の生存が確認され、地下でも地上でも大喜び、となる場面が前半のクライマックス。
 この事故が一筋縄ではいかないのはここからで、電話とインターネットを使った地上との連絡が可能になり、様々な情報がもたらされるようになると、坑夫たちの間で新たな生々しい諍いが発生する。

 リーダーだったマリオは、家族を通じて出版社から手記の独占出版契約を持ちかけられ、破格のギャラで承諾。
 最初はこの件を仲間たちに内緒にしていたのだが、地上から送られてきた新聞で露見し、マリオは散々非難された上にリーダーの座から引きずり降ろされてしまう。

 果たして、ここからマリオと坑夫たちは絆と信頼関係を取り戻せるのか。
 それと同時に、避難所自体にメガストーン≠フ沈下による崩落の危機が迫る中、無事に全員が地上に帰還できるのか、が後半のクライマックスとなる。
  
 いささか綺麗事で済ませているように感じられる部分もあるものの、全体的に緻密でがっちりと構成されており、ノンフィクション系の映画として大変見応えがあることは確か。
 オススメ度B。

(2015年 チリ、コロンビア=ワーナー・ブラザース、20世紀フォックス/日本公開2016年 127分)

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 ※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)

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