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『マン・オン・ワイヤー』(WOWOW)
2017年03月26日(日)
Man on Wire


 ロバート・ゼメキスの傑作『ザ・ウォーク』(2015年)の元ネタとなった作品で、第81回アカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞している。
 興味の焦点は、主人公フィリップ・プティが1974年に行ったワールド・トレード・センター(WTC)での綱渡りの内幕を語り、その実際の映像が見られるところにある。

 しかし、残念ながら、まだデジタル技術が開発されていなかった時代ゆえ、肝心の場面は紙焼きの写真がほとんど。
 テレビ局のヘリコプターから撮影された動画も、ビルの間に張られたワイヤーとプティが抱えたバーがかろうじて確認できる程度にとどまっているのが惜しいといえば惜しい。

 とはいえ、それでも、この空前絶後の綱渡りの高さと危険度は、画面を通して十分に伝わってくる。
 プティはこのとき、ワイヤーの上を8回渡り、45分間もWTCの間の空間にとどまっていたという。

 その姿をじっと見つめているうち、プティの言葉に耳を傾けているうち、これほどの冒険が、本当に、現実に行われたのだという感慨が実感を伴って胸に迫ってくる。
 そうした当たり前の感想とともに、プティの命をかけたパフォーマンスがわれわれに伝えてくるものが詩情であることに、改めて気がついた。

 羽根もエンジンもなく、スーパーマンでもアイアンマンでもない、ごく普通の人間が、地上417メートルの空間、というより空を横切る一本の線の上を、命綱もつけないで歩いている。
 われわれが実人生で目にする光景の中で、これほど現実でありながらも現実とは思えず、これほど幻想的でありながら幻想ではない、という光景がほかにあるだろうか。

 ただし、ドラマ仕立てにした再現映像も多く、ドキュメンタリー映画としての完成度は決して高いとは言えないことも付記しておく。
 オススメ度B。

(2008年 イギリス、アメリカ/日本配給エスパース・サロウ 2009年 95分)

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