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『怪談』(WOWOW)
2017年02月27日(月)


 小泉八雲の原作を監督・小林正樹、音楽・武満徹、主演・三國連太郎、新珠三千代、仲代達矢、中村嘉葎雄らオールスターキャストで映画化したオムニバス超大作である。
 原作からチョイスされたのは最初から順に、「黒髪」、「雪女」、「耳無芳一の話」、「茶碗の中」の4本。

 このうち、最も怖いのは最初の「黒髪」。
 主人公の武士(三國)が一度は捨てた妻(新珠)の元に帰ってくると、妻はかつての若々しい美貌を保ったまま、昔通り屋敷で甲斐甲斐しく機織りを続けており、感激した武士が大喜びで抱いたまではよかったが、一夜明けてみたら…というお話。

 前夜までは立派だった屋敷が見るも無残なあばら家と化し、隣で寝ていた妻もいつの間にか髑髏に変わり果てているところまでは十分に予想がつく。
 しかし、驚いた三國が屋敷から逃げ出そうとすると、足をもつれさせて転ぶたびに三國自身の顔も老いさらばえ、着ていた着物もボロボロ、ついにはミイラのようになった姿に、ふわりと飛んできた妻の黒髪がまとわりつく、という展開は実にショッキング。

 最も大掛かりなのは「耳無芳一の話」。
 芳一(中村)が夜な夜な平家の落人(丹波哲郎)に呼ばれては亡霊たちの前で琵琶を聞かせる場面のセットが実に壮麗で、日本映画史上、芸術的価値は極めて高い。

 ただし、のちに霊界ブーム≠起こす丹波が落人に扮しているためか、いま見ていると、芳一の耳を引きちぎるシーンではちっとも恐怖感が感じられない。
 文芸作品を指向し過ぎるあまり、上映時間が3時間以上に及び、全体的にも冗長で面白みに乏しい大作となっている。

 劇場公開当時、興行的には大失敗に終わり、本作を製作した文芸プロダクションにんじんくらぶ(岸惠子、久我美子、有馬稲子らが中心になって1954年に設立)はあえなく倒産に追い込まれたそうだ。
 …という顛末が一番、怪談っぽいかな。

 オススメ度B。

(1965年 東宝 183分)

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 ※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)

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