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『第3逃亡者』(WOWOW)
2016年04月14日(木)
Young and Innocent


 この映画は初めて日本で劇場公開された1977年、広島の松竹名画座(現在は閉館)という映画館で見た。
 再見するまで内容はおろか、一度見たことすら忘れていたのだが、実に80年近くたったいまでも十分面白い。

 開巻早々、嵐の夜、屋敷の中で夫婦が激しい口論を繰り広げている場面がまず迫力たっぷり。
 一夜明けると、浜辺に妻が死体となって打ち上げられ、第一発見者のロバート(デリック・デ・マーニー)が周囲の目撃者や警察官に犯人と間違われてしまう。

 逮捕されて法廷に連行されたロバートは、前の裁判が終わって人がごった返している最中、巧みに身を隠して逃亡。
 警察署長の娘エリカ(ノヴァ・ピルビーム)の車に忍び込み、まんまと逃げおおせる、というくだりがまずうまい。

 行きがかり上、ロバートの無実を信じて同行することになったエリカは、訪問の約束をしていた伯母さんの家に立ち寄り、ここでロバートともども、子供たちと目隠し鬼ごっこに参加せざるを得なくなる。
 ヒッチコックお得意の手法で、早く遠くへ逃げなければならないのに立ち去ろうにも立ち去れない、というシチュエーションの設定がまことに巧み。

 また、ロバートとエリカの行く先々で、車や建物のミニチュアセットを効果的に使っていることも指摘しておきたい。
 予算や日程の関係でロケ撮影をしなかったのか、最初からミニチュアによる作り物的な雰囲気の醸成を狙ったのかは不明だが、改めて再見すると後者としか思えなかった。

 クライマックスでは、ヒッチコックがクレーンを使い、2日がかりで撮影したという舞踏会の場面が圧巻。
 最初は舞踏会全体を俯瞰で捉え、徐々にカメラを下ろしてゆき、最後にバンドマンに身をやつした真犯人の顔のクローズアップまで、ワンシーンワンカットで映し出した演出にはやはり息を呑む。

 唯一弱点があるとしたら、その真犯人の存在にエリカが気づいたあと、大団円になだれ込むまでの演出がいささか間延びしていることだろうか。
 お勧め度はB。 
 
(1937年 イギリス/日本公開1977年 84分)

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 ※A=ぜひ!(^o^) B=よかったら(^^; C=ヒマなら(-_-) D=やめとけ(>_<)

26『サボタージュ』(1936年/英)B
25『吸血鬼ドラキュラ』(1958年/英)B
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21『座頭市地獄旅』(1965年/大映)B
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18『ダイナマイトどんどん』(1978年/大映、東映)C
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14『マップ・トゥ・ザ・スターズ』(2014年/加、米、独、仏)B
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12『チャッピー』(2015年/米)A
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7『はぶらし/女友だち』(2016年/NHK)A※未ビデオ化
6『暁の7人』(1975年/米)A
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1『ラヴ・ストリームス』(1984年/米)A
Number959
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