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スポーツ人の政治的発言
2001年10月1日(月)
○2001年10月号掲載

 日本時間の9月11日夜に発生した米国の同時多発テロには大きな衝撃を受けた。

 私はそのとき、大阪ドームでプロ野球の近鉄−ロッテ戦の取材を終えたばかりだった。

 テレビを見ていた同僚から、「飛行機がニューヨークの世界貿易センタービルに2機突っ込んだらしい。どうもテロのようだ」と聞いた。最初は何のことやらわからず、黒煙の上がるビルを見ていた。

 しかし、徐々に震えがきた。これは大変なことになるぞと思った。

 以後は膨大な報道があった。米国対イスラム原理主義勢力の対決の構図が事細かに伝えられ、この原稿を書いている時点では、米国のアフガニスタンへの武力介入がいつになるかが大きな焦点となっている。

 株価も下がりっぱなしで、世界同時不況の恐れをしきりに伝えるマスコミの論調は深刻だ。私が就職した1977年ごろもオイルショックの影響が濃く、暗い世相だったように記憶しているが、いまはその比ではないだろう。

 米国スポーツ界がいち早く、自粛を唱えたのも無理はない。大リーグやアメリカンフットボールなど、人気プロスポーツは軒並み試合の中止を決めた。

 彼らはファンあってこその興行であることをよく知っている。中でも惨劇が起きた場所近くにある大リーグのメッツなどは、選手らが救援活動に積極的に加わった。新庄ももちろんその一人だった。

 感心するのは、スポーツ人が政治的な意味合いの発言を臆せずにしていることだ。

 70本塁打のシーズン記録を持つマグワイアは「ニューヨークやワシントンで起きたことを考えれば、いまスポーツイベントを開くのは意味がない」と怒り、連続出場最多記録を持つリプケンは「野球はすばらしいスポーツだが、いまは人々を元気づけられない」と語った。

 同じような惨事が日本に起こったとき、こうした勇気ある発言ができるスポーツ人が何人いるだろうか。米国民には本当に気の毒と言うしかない事態だが、こうしたときに見せる米国のスポーツ人の懐の深さに、正直うらやましさを覚える。
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