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幕下の好取組:宝香鵬−貴公俊
2017年11月25日(土)


 日馬富士暴行問題に揺れている大相撲九州場所14日目、幕下で個人的に注目したい取組があった。
 ともに3勝3敗で勝ち越しをかけた幕下7枚目の宝香鵬、同11枚目の貴公俊の一番。

 宝香鵬は宮城野部屋で、長年、横綱・白鵬の付け人をしていることで知られている。
 いつも白鵬の後ろにいる眼鏡をかけたお相撲さん、と言えばわかる人にはわかるかもしれない。

 AERAに白鵬のノンフィクションを書くため、足繁く宮城野部屋に通っていた8年前、宝香鵬には何かとお世話になった。
 当時の四股名は「宝華山」で、親方や先輩力士には下の名前の「宏作」と呼ばれていた。

 そのころ、関取を目指している若者のほとんどが読んでいたのが漫画の『のたり松太郎』や『あゝ播磨灘』。
 両作品に影響を受けてプロを目指そうとしている力士も少なくない、と聞いた。

 体格がよく、格闘技に覚えのある若者にとっては、UFCやプロレスなど、相撲以外の選択肢も少なくない。
 しかし、宝香鵬は「いや、やっぱり相撲は違います。この世界はガチですから。出世すれば得るものも大きい。(格闘技は)相撲が一番ですよ」と、朴訥な口調で強調していた。

 ぼくが取材していた当時に比べると、身体が一回り大きくなり、相撲にも粘りが出てきた。
 すでに28歳と若いとは言えず、出世争いでは弟弟子の石浦に抜かれてしまったが、近いうちに十両で雄姿を見たい。

 一方、貴公俊は貴乃花部屋のホープである。
 双子の弟・貴源治とそろって中学時代から将来の逸材と注目され、激しい争奪戦の末に貴乃花が兄弟ふたりを獲得。

 今年の3月場所で負け越し、貴源治との出世争いで交代、その弟が先に新十両に昇進したときには、「涙が出るほど悔しい」と負けん気をあらわにしている。
 その弟とともに、兄弟そろってかつての「若貴時代」を再現する可能性を秘めているともっぱらで、大相撲ファンならいまから注目しておきたいところだ。

 そんな貴公俊と宝香鵬の対決は、今場所で3場所連続となり、いまや隠れた好取組。
 今場所は宝香鵬が土俵際まで貴公俊を追い詰めながら、逆転の突き落とし(だと思う)で貴公俊の勝ち越しが決まった。

 貴乃花親方と白鵬の間には、日馬富士暴行問題をきっかけに微妙な空気が流れているようだが、若い力士ふたりには土俵外の騒動など関係あるまい。
 こういう時期だからこそ、若い力士たちにはいい相撲を見せてもらいたい、と思う今日この頃です。
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